
瀬戸内海の魚を紹介します!
瀬戸内海の魚図鑑、記念すべき第一弾は『ボラ』です!
和名:ボラ(鰡)
学名:Mugil cephalus
分類:ボラ目・ボラ科・ボラ属
体長:最大で90センチメートル
食性:雑食(デトリタス、ゴカイなど)
分布:北海道以南の日本各地
ボラは意外にも出世魚で、地域によってその名前が異なります。
・関東 – オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・関西 – ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
・高知 – イキナゴ→コボラ→イナ→ボラ→オオボラ
・東北 – コツブラ→ツボ→ミョウゲチ→ボラ
ボラといえば「泥の匂いが酷くて食べられたものではない」というイメージが根強いですよね。
でも実はそんなこと全くない、驚くほど美味しい魚なんですよ!
今までに何度も地引網で獲れたボラや笠岡の魚市場で買ったボラを食べてきましたが、
臭いが気になったことなんて一度たりともありませんでした!
それもそのはず、「ボラは臭い」というイメージは、高度経済成長期に定着したイメージで、それ以前、特に江戸時代では「タイ、アジ、ボラ」と言われるくらい、食卓で愛されていた魚だったそうです。
当時の絵巻物や魚拓にも、ボラはよく登場しました。
ボラはデトリタス食と言って、海底の砂泥に溜まった有機物を泥ごと吸い込んで食べます。
そのため、高度経済成長期の汚染された海にいたボラは、内臓にヘドロや化学薬品の匂いが移ってしまったそうです。
しかし、数十年前の「死の海」と呼ばれた瀬戸内海ならまだしも、
かつての惨状からは想像もつかないほど見違えた、瀬戸内海に生息するボラはとてつもなく美味しいです!
脂の乗った白身魚で、刺身、焼き、フライ、カルパッチョなど、どんな料理にも刺さります!
特にボラの刺身はクセがなく、地引網体験イベント『しらいしよいしょ』で最も好評だった料理がボラの刺身でした!
味はタイとブリの中間のような味で、様々な魚と食べ比べをしましたが、頭ひとつ飛び出た美味しさを誇りました!
今、瀬戸内海でボラが大量発生しています。
かつてはカレイ、シタビラメの仲間が多かった瀬戸内海は、
気候変動などの影響により、大きくその生態系を変えています。
特に、マダイ、クロダイ、ボラ、メジナといった魚はここ数年で大きく水揚げ量が上がっており、
瀬戸内海周辺の食文化へも影響を与えています。
ボラはそのイメージからなかなか売れず、未利用魚の代表魚といっても過言ではないでしょう。
実を言うと、この文を書いている我々も、ここ最近までボラを食べることを忌避してきました。
しかし、去年の7月に地引網で獲れたボラを恐る恐る食べた時から一転、
僕たちは皆、ボラに惚れ込んでしまいました!初めてボラを食べた時の衝撃は今でも忘れられません。
みなさんも地元の魚市場にボラが売っていたら、ぜひ買って見てください。
その美味しさに、きっとあなたは虜になるでしょう!

小型のボラも入りました!

我がチームのアイコンもボラです!

部長が描いたボラのイラスト①

部長が描いたボラのイラスト②



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