
白石島の現役漁師さんにインタビューをしました!
下記はインタビューのQ&Aです!
Q:なぜ漁師に?
A:身の回りに漁業者が多く、実家が海苔を作っていた。
Q:地引網以外に、どんな漁をしていますか?
A:底引網、定置網、刺し網、蛸壺、一本釣り
(夏のスズキは1匹1万円で売れていた。)
Q:はっきりいって、儲けられますか?
A:大赤字。餌の方が高い。1000円の餌で300円の魚を釣る。
Q:漁師さんへの、国からの補助金はありますか?
A:ない。
Q:最近獲れ始めた、今まで取れなかった魚はなんですか?
A:メジナ、アイゴ、ダツ
Q:昔は沢山獲れていて、今は数が減った魚はなんですか?
A:多種多様(シタビラメ、カレイなど)
Q:ここ数年で特に沢山取れる魚はなんですか?
A:ボラ、クロダイ、マダイ
Q:白石島の漁協の平均年齢は幾つですか?
A:大体65歳。
Q:白石島の漁協には何人の漁師さんがいますか?
A:12、3人。
advice:漁師になるには細かい決まりがあり、年に90日以上漁に出る、船を所有するなどの制約がある。ここで言う漁師とは、これらの規定をクリアした人たちを言う。
Q:昔の白石島には、どれくらいの漁師さんがいましたか?
A:100人以上!
Q:今の白石島の漁協で、最年少の人は何歳ですか?
A:40過ぎ。
Q:瀬戸内海の魚の減少、魚種の推移の理由はなんですか?
A:地球温暖化による高水温、漁業環境の悪化(異常気象による大雨で、土砂が海に流れ込み、海底がヘドロ化し、酸素不足や硫化水素の発生を起こしている。)
Q:ネオニコチノイド系農薬の悪影響はありますか?
A:白石島周辺は潮の流れが早いため、そこまで影響はないと考えている。
Q:一時期、瀬戸内海は「死の海」と呼ばれるほど汚れましたが、当時の被害はどの程度でしたか?
A:魚はそこまで減らなかったが、風評被害で魚の価値が暴落した。
Q:瀬戸内海の魚を増やすために、どのようなことができますか?
A:沢山ある。
・アマモを増やす。
・下水処理を少なくし、規定を緩める。
・使う塩素を減らす。
・海底耕運をする。
Q:どのようにして活動を大きくしていますか?
A:企業と連携してCSRをしている。
Q:アマモ植林の価値はなんですか?
A:沢山ある。
・温暖化の抑制に繋がる。
・海中の酸素量が多くなる。
・ブルーカーボンの増加に繋がる。
・魚の数を増やせる。
・磯焼けの改善に繋がる。
Q:魚の価値はどのように変わっていますか?
A:大暴落している。(スズキがかつての20分の1に)エサの方が高い。餌が1000円、魚が300円
Q:白石島の漁協で未利用魚は発生していますか?
A:そもそもそんなに獲れない。かつては、余った魚をミンチにして、ご飯と一緒に食べていた。
Q:魚の付加価値を高めるにはどうすればいいですか?
A:沢山ある。
・技術のいる神経〆をする。
・血抜き処理をする。
・ネブトなどの小魚の下処理をする。
・小さなエビの皮を剥く。
・サイズを揃えて、買いやすくしてもらう。
・ミンチなどの面倒な調理をする。
・こじゃこ専門など、路線を決める。
advice:かつては捌くのが面倒な新鮮な魚を加工して、特定の住宅地に運ぶ行商人がいた。付加価値は、5000円の魚を20000円まで高めた。
Q:白石島の漁協は主にどこを市場にしていますか?
A:寄島などの市場。
Q:かさおか島ラボはどのような活動をしていますか?
A:海に関する専門家の育成、植林など。
Q:漁をしていて、一番幸せだった時はいつですか?
A:養殖した魚や海苔が豊作だったときの達成感。養殖は成果が目に見えてわかる。サボったか頑張ったかは一目瞭然。
Q:なぜ、若者の漁業参入は減っているのですか?
A:肉体労働で且つ、圧倒的に儲からないから。
Q:白石島の過疎化はどれくらい進みましたか?
A:小学校がなくなった。5、60人いた学生が0人に。
Q:何が漁を邪魔していますか?
A:ビゼンクラゲやユウレイクラゲ、ミズクラゲが多すぎて網が上がらない。地引網ではアオサが多くて網が重くなった。アカエイやトビエイが多くて網が上がらない。
advice:ミズクラゲは夏に大量発生し、盆過ぎになると、いなくなる。大量発生したクラゲは網の入り口を塞いだり、網の中の魚を窒息させてしまい、多大な経済的被害を出している。ビゼンクラゲやユウレイクラゲは、その大きさゆえに網を塞いでしまう。クラゲ類の大量発生には、地球温暖化が関わっており、冬に海水温が下がりきらず、クラゲのポリプが死滅しなくなってきている。最近、アオサが多くなってきているが、これはとても良い兆候だ。最近では、エイ類が増えてきており、漁で獲れたエイ類(特にトビエイ)は駆除している。
Q:瀬戸内の磯焼けの原因はなんですか?
A:沢山ある。
・地球温暖化による影響。
・クロダイによる食害。
・エイ類による食害。
Q:瀬戸内のスナメリはどのように推移していますか?
A:減ってきているが、たまに見かける。
Q:かつて、スナメリが網に入って、市場で売られていたと聞きましたが、今もそんなことがありますか?
A:スナメリは油ばかりで、肥料程度にしかならない。スナメリを市場に出すには、面倒な手続きが必要。大学が個体調査をしている可能性がある。
advice:ガラモで作った肥料は、ネラルが豊富で、さつま芋を甘く作るのに使われている。
Q:磯焼けはどれくらい前から進んでいますか?
A:20、30年前から進んでおり、海藻の種類が減ってきている。
Q:漁師として船を所有するには、どれくらいのお金がかかりますか?
A:月2、3万円(燃料費は別)
Q:なぜ魚の魚の市場価値が減ってきているのですか?
A:沢山ある。
・捌ける人が少なくなっている。
・生ごみが多く出る。
・捌ける場所がない。
advice:もしも君たちが漁師として働こうと思っているのなら、それはとても厳しい道のりになるだろう。なぜなら漁師の仕事は10年続けて初めて実る仕事だからだ。面白半分では、この業界でやっていけない。まずは副業として、始めよう。そして、漁の仕事をするのなら、5人以上で手を繋いで頑張りなさい。でなければ、困難を越えることができない。
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