プログラム2日目の夜は
ウエカツさん(魚の伝道師)×中村さん(漁師)×山口さん(いすみ市役所)
の御三方によるパネルディスカッション形式のトーク。いすみの海・漁業の今を赤裸々に語ってくださいました。
まずそもそもいすみの海の豊かさから。
いすみ市は沖合の水深20m前後の海底に『器械根』と呼ばれる広大な岩礁帯が広がっています。そこに多く生えている『カジメ』という海藻を住みかにする小魚やそれを捕食する大型魚がやってくるほか、藻類を餌にするアワビやサザエなどの貝類、岩場を住みかにするイセエビ、それを捕食するマダコが生息するなどなど実に豊かな漁場となっています。
水に目を向けても、南からの黒潮、北からの親潮、さらには夷隅川からの栄養豊富な真水の流入もあることでプランクトンが多く発生し好漁場の形成要因となっています。
そんないすみの海ですが、黒潮の強まりによってかつて生息していたアイナメ、イシガレイ、アジ、スズキ、マトウダイ、ゴマソイなどが減少あるいは消えたといい、その反面トラフグやサワラなどが新たに獲れるようになったそうです。
漁師の中村さん自身も「トラフグ漁は昔はやっていなかった」とおっしゃていました。
また、大原漁港(いすみ市に位置する漁港)はかつてイワシ漁の基地であったことが特に印象に残りました。というのも、千葉県のイワシ漁基地がある(あった)漁港は銚子・大原・鴨川の3つで、いずれも河川の流入がある漁港だというからです。前日に学んだ里山〜河川が海の環境を作るということがここでも結びついているんだと感激した次第です。
市役所の山口さんからは主に役所としてのお話がありました。現場の漁師さん達とも緊密なコンタクトをとりながらも「役所は『ここ』と『よそ』を繋げるのが仕事」とおっしゃており、特に「アカエイという魚がナイジェリアあたりで需要がありそうなので今少し動き出しています」旨のお話は印象に残りました。
総じて、現場の方のお話ほど有益なものはない！！
と、強く感じました。どれだけ気にかけていてもどれだけ知識をもっていても、魚食や漁業に関する課題はやはり現場にしかない情報・感覚があります。
僕のおもな活動の場はSNSですが、やはりフィールドでの活動もやらなければいけないなと痛感しました。今後の課題です…。
では！
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