
~白化からの回復以外の研究成果~
白化からの回復の実験のほかにも、次の3つの観点からGFPの効果を検証しました。
*白化からの防止

セイタカイソギンチャクを小瓶に入れ、GFPを瓶の内側に補強し、補強した群としていない群をそれぞれ水槽内(30℃)に浮かべた。7日後、酸素濃度の計測に加え、蛍光顕微鏡により観察・撮影し、ImageJにて解析することで、緑色蛍光の強度を数値化した。


GFPあり GFPなし

白化前GFPあり 白化前GFPなし 白化後GFPあり 白化後GFPなし
白化前にGFPを補強し、海水温を上昇させてストレスを与えると白化が起こりにくくなる傾向が見られた。
*褐虫藻の活性化
セイタカイソギンチャクを6つ使用した。それぞれの条件下で、日中、3時間おきに酸素濃度(光合成量)を計測する。

A 青:遮光時間0 緑色蛍光色素あり
B 水:遮光時間0 緑色蛍光色素なし
C/E 赤:遮光時間24 緑色蛍光色素ありD/F 桃:遮光時間24 緑色蛍光色素なし
最大:4.08
0時間 あり 11時
平均:3.80

最大:4.31
0時間 あり 19日14時
平均:3.87
GFPにより、褐虫藻の働きが活発になり、光合成による酸素生産量が増加した。
*褐虫藻の獲得促進
1.稚サンゴ(サンゴの赤ちゃん)
一度褐虫藻と共生関係にあった宿主を完全に白化させることは実験上難しいので、ミドリイシ属の幼生を対象にした。幼生を稚サンゴにするため、神経ペプチドHym-248、濃度3mMを添加して変態を誘発し定着させる。定着した稚サンゴの真下に緑色蛍光色素を設置して、親から褐虫藻を受け継いでいないため、褐虫藻を添加する。添加後、実態顕微鏡と蛍光顕微鏡で褐虫藻の感染、稚サンゴの生存を確認する。


青:緑色蛍光色素あり 感染した
水:緑色蛍光色素あり 感染してない
灰:緑色蛍光色素なし 感染した
黄:緑色蛍光色素なし 感染してない
赤:緑色蛍光色素あり 死滅
桃:緑色蛍光色素なし 死滅
2.サカサクラゲ
まだ褐虫藻を所持、共生していないサカサクラゲのポリプ・プラヌロイド(幼生)を対象にした。4つのサカサクラゲに対して、褐虫藻をそれぞれ0.5mlずづ添加し、緑色蛍光色素を設置したものとしていないもので褐虫藻の獲得を個体の色、成長具合から確認する。

GFPにより、周囲の褐虫藻を取り込みやすくなり、共生関係が構築されやすくなることが示された。
| 効果 | 内容 |
|---|---|
| 白化からの防止 | 白化がしづらくなる |
| 褐虫藻が活性化する | 褐虫藻の働きが活発になる |
| 褐虫藻との共生 | 褐虫藻を獲得しやすくなる |
GFPは白化問題の総合的解決に貢献しうる!ということが分かりました。


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