こんにちは。
海洋連盟で広報を担当しているホリウチです。
毎週日曜日のスタッフブログは、応急手当や心肺蘇生について綴っていきます。
Vol.6 やけどについて
6回目はやけどについて。
ちょっとしたやけどの経験は皆さんあると思いますが、正しい処置は意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
この機会に適切な対処法を覚えておきましょう。
どんな症状?
熱や化学物質が皮膚などの体表面の一部に接触することで起こります。
重症の場合には表面だけでなく、脂肪や筋肉、骨など体の深部の構造にまで達することもあります。
やけどの度合によって以下のように分けられます。
Ⅰ度・・・表皮までのもの。赤みや腫れがあり、ヒリヒリした感じや痛みがあります。一般的な日焼けはこのⅠ度に当たります。
浅達性Ⅱ度・・・真皮の上層までのもの。赤みや腫れの他に水ぶくれができます。水ぶくれが破れると痛みがより強くなります。
深達性Ⅱ度・・・真皮の上層までのもの。赤みや腫れ、水ぶくれが破れてただれますが、痛みは軽度で、水ぶくれの下の皮膚が白くなります
Ⅲ度・・・皮下組織までのもの。神経も損傷を受けているので逆に痛みは感じません。また、肌の表面が壊死している場合もあります。水ぶくれはできず、跡が盛り上がったり、ケロイド状になったりして残ります。皮膚が引っ張られる感覚や、機能障害が起こる場合もあります。
損傷した皮膚などの表面は、微生物の侵入を防ぐバリア機能が働かなくなるので、感染症を引き起こしやすくなります。
また子どもやお年寄り、糖尿病などの合併症をお持ちの方は、やけどの傷が深くなる場合があるのでより慎重な対応が必要です。
一般的なやけどと別で注意が必要なのが低温やけどです。
湯たんぽや電気あんか、カイロなどで長時間同じ部位を温め続けると、低温でもやけどをすることがあるので、温度や時間には十分に気をつけましょう。
どうしたらいいの?
やけどをした際の処置は
とにかく冷やすこと
が基本です。
流水に患部を当て、15~30分ほど冷やしましょう。広範囲であればシャワーで冷やしたり水風呂に浸かるようにします。
衣服を着た状態でやけどをした場合はそのままで冷やします。無理に脱がそうとすると、衣服に貼りついて皮膚がはがれることがあるからです。また、冷やすのが遅れると、熱が作用して深部まで損傷する可能性もあります。
ただし、服の上から氷のう等で冷やす場合、長時間当て続けると凍傷を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
患部を冷やした後は、水ぶくれが破れないようにして清潔なガーゼやタオルを患部に当てます。
自己判断で患部に薬を塗ってしまうと、かえって治療に支障をきたすこともあるので、冷やす以外の処置はせず早めに病院で受診するようにしてください。また、患部が腫れてくる可能性があるので、指輪などのアクセサリー類ははずしておくようにしましょう。
低温やけどの場合、逆に冷やさず、すぐに受診するようにしてください。
まとめ
やけどの面積が広いほど全体に影響を与えます。
たとえⅠ度のやけどでも体の表面積の損傷が広ければを重症になります。また、処置を誤ったり遅れたりすると、跡が強く残ったり完治まで時間がかかることにもなりかねません。
家の中にはやけどに注意しなければならないものがたくさんあります。特に小さいお子さんやお年寄りのいるご家庭では十分注意するようにしてください。