※「ウチオシ!」は「内田推し」と「うち(自分)推し」のどっちでも使える造語です。
つまりとてもとても個人的な「推し」なのです。その辺を考慮の上、ぜひ気軽にかつ参考程度に読んでください。
広島に訪れたのは今年の春。
三洋汽船と備讃フェリーを経営している天野社長と代表とお邪魔しました。
ここはかの有名な塩飽水軍がいた塩飽諸島で最大の島です。
塩飽水軍は戦国時代から活躍し、江戸幕府に仕えることで“人名”という御用船方の本拠地でもあり、直接自治することを認められてもいました。
勝海舟が船長を努めた咸臨丸も、船員の7割にあたる35人がこの島々から出ていて、そのうち讃岐広島からは、11人の水夫さんが乗ったそうです。
いかに塩飽水軍が船乗りとして優秀なサムライだったかがわかりますね、そして研究熱心で好奇心旺盛な方々が多いことを感じさせる逸話です。
今日は、そんな海のサムライの末裔の島で出会った甘酸っぱいお話しです。
マーマレードみたいな蜂蜜
天野社長の会社の船で島に着くと、ふれ愛の町ひろしまをつくる会の平井会長が待っていてくれました。
今日のお昼ごはんは白賀さんという方のご自宅にお邪魔していただくと社長と平井さんが話しています。
10分ほど車を走らせて着いたのが、こちらのお宅。
お昼ご飯をいただいたのですが、食後にでてきたのが柑橘系の美味しい果物で、これなんです?って聞くと「なんだっけなぁ、それよりも面白いもの見せたる」と言って出てきたのがこのビン。
舐めさせてもらうと、甘酸っぱさが口と花の奥に広がったので、甘みの強いマーマレードかと思ったんですが、
これはマーマレードじゃなくて白賀さんが養蜂をやっていたときの蜂蜜とのこと。おそらくこの果物の花が咲く頃にミツバチがせっせと集めたんじゃないかと言っていました。
いままでもみかんの花の蜂蜜などを食べたことがありますが、この蜂蜜ほどストレートに柑橘の味がする蜂蜜は初めてです。
広島の名物にならないかと試しに蜂蜜を飼っていたのだが、いつの間にかいなくなってしまったと笑っていました。
瀬戸内でサトウキビ?
次に出てきたのがこのタッパ。
じつはこれも白賀さんが自分で作ったもの。なんと島で育てたサトウキビから絞った黒糖なんです。
またまた名物を作ろうと思った白賀さんは沖縄に飛び、サトウキビの株を分けてもらって畑に植えて育てたそうです。
この実行力がすごいですよね。
元々はこのタッパ一杯に絞り汁が入っていたのですが、5年かけてこの量まで自然に減ったそうです。
いいよと言われたので一口舐めてみると、びっくりするほど美味い!そしてまたもや甘酸っぱい(笑)
少し酸味のある美味しいお酒の入ったスイーツを食べている様な味わい。
「これ名産になりますよ」と興奮気味に話すも「いや〜もう歳だからサトウキビ作り続けるの大変だなぁ」とニコニコされるばかり。
黒いどんぐり?
次に出てきたのがこの真っ黒つぶつぶ。
これなんですか?と聞くと「あんまりいっぱいあるから炭にしてみたんじゃ、売れんかったのぉ」とニコニコ。
思いつくけど、商売が下手だからと笑っていますが、白賀さんがすごいのは思いついただけじゃなくて、
研究し、トライアンドエラーを重ねて玄人レベルで作ってしまうこと。
いつか私たちの手を通してみなさんにお届けしたいと思っています。
ということで、今回の広島のウチオシは海のサムライの末裔です。
日本一の水軍となった原動力であろう、この好奇心と実行力とおおらかさに触れられて本当に良かったと思います。
白賀さんまた行きますので、楽しい話を聞かせてください。