
今回、NPO法人久米島ホタルの会の佐藤直美さんへ2回目のインタビューを行いました。
赤土と共に生き ~自然との共存を考える~
沖縄の生き物たちは、赤土の中で生活しているため、体の色も赤土に似た色をしているものが多いです。
例えば…ヤマガメ、カエル、カニなど…
赤い色をした生き物たちは、赤土にカモフラージュしながら生きています。
つまり、赤土は生き物たちにとっても必要な要素であり、赤土そのものが「悪」なのではありません。
人間も赤土で米や野菜などの作物を栽培して生きてきたように自然と人間の暮らしが両立するためには、赤土との共存が必要なのです。
赤土の活用法として、うみぽす甲子園2023で発表した先輩方も取り上げられていましたが、沖縄では赤土をこねて焼き物に使ったり、染料にしたり、瓦に塗って活用するなど赤土をうまく活用しています。
なぜ赤土が? ~流れるメカニズムを考える~
赤土が流れるメカニズムの一つに、田んぼの消失があります。
久米島は江戸時代から米作りが盛んで、かつては島のほとんどが田んぼでした。
海に近い田んぼでは潮風の恩恵で、沖縄一美味しい米が取れる場所として知られ、「ハブヒルストーリー = Habu Hill story : 駐留米軍人が見た久米島」という写真集にも掲載されていました。
しかし、政府の減反政策や農地改良によって、田んぼは畑へと変わり、現在ではそのほとんどが、サトウキビ畑や牧草地になっています。
それにより田んぼが持っていた水をためる機能や土壌の安定性が失われたことで、赤土が流れやすくなったのです。
ですが、畑から田んぼに戻すことは多額のお金や手間がかかるため、難しいことが現状です。
1人1人の小さな赤土問題は大きな影響へ ~生態系サービスと私たちの暮らし~
私たちの暮らしは、食料や水の供給、気候の安定など、生物多様性を基盤とする生態系からの恵みによって支えられています。
国連の生態系評価では、「生態系サービス」は以下の4つに分類されています。
1.供給サービス(食料・水など)
2.調整サービス(気候調整など)
3.文化的サービス(自然景観の保全・教育的知識など)
4.基盤サービス(土壌形成・食物連鎖など)
この中でも、基盤サービスに分類される食物連鎖が崩れてしまっていることは、非常に深刻な問題です。
現代では、野生の生きもの達が生息できる自然環境のほとんどの場所は、私たち人間のためにあるような状況に変わっています。
海が汚れ、化学物質を魚が食べ、その魚を私たちが食べてという単純な構造ではなく、人間が関わる生態系への相互作用によって、非生物的環境への環境形成作用が、地球温暖化を引き起こすほど大きな問題と捉えています。
それは徐々に徐々に時間をかけて、静かに進行する問題であり、赤土を出してしまうような小さな行為が、積み重なっていけば、確実に地球規模の被害へとつながっていくでしょう。
インタビューを通して感じたこと ~うみぽす甲子園の意義~
今回のインタビューを通して改めて感じたのは、私たちが「うみぽす甲子園」で扱うテーマや、問題解決に向けた活動の輪を広げていくことの大切さです。
赤土問題は、久米島だけの課題ではなく、自然と人間の暮らしがどう共存していくかという、もっと広い視点で考えるべきテーマだということがわかりました。
だからこそ、これからもたくさんの人にこの問題を知ってもらい、そして、知るだけでなく、自分ごととして考え、行動につなげていく人が増えてほしいと願っています。
佐藤さんお忙しい中、長時間にわたりインタビューにご協力頂きありがとうございました。


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